どうも、「とーま」です!
↓↓↓今回ご紹介する一冊はこちら↓↓↓
本書の概要
- 書籍名:『貧乏国ニッポン』
- 筆者:『加谷珪一 』
- 読了の目安時間:『1時間20分』
あらすじ
新型コロナウイルスの感染拡大で危機に直面する日本経済。政府の経済対策は諸外国と比べて貧弱で、日本の国力の低下ぶりを露呈した。実は、欧米だけでなくアジア諸国と比較しても、日本は賃金も物価も低水準。訪日外国人が増えたのも安いもの目当て、日本が貧しくて「安い国」になっていたからだ。さらに近年は、企業の競争力ほか多方面で国際的な地位も低下していた。新型コロナショックの追い打ちで、いまや先進国としての地位も危うい日本。国は、個人は、何をすべきか?データで示す衝撃の現実と生き残りのための提言。
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皆さまは、日本経済が低迷していると感じた事はありませんか?
私はあります。
景気が良くなっている実感がぜんぜん湧かないのです。
私と同じように感じる人、いませんか? たぶん多いと思います。
極端な話ですが、私は母親から、良くバブル時代の話を聞いたことがあります。あそこまで、日本全体がはっちゃけなくても良いですが、その時代は絶対に日本全体が明るいムードに包まれていたと思います。
しかし今はどうですか?
ニュースを見れば、GDPが低下、世界に後れを取っている・・・などなど。日本経済に関して言えば暗いニュースばかりじゃあないですか?
私は気になりました。
どうして、こんなにも日本の経済は低迷してしまったのか。その原因は何なのか。
その理由を探し求めていた私は、今回ご紹介する本に出会いました。
本書では、日本経済が長年低迷していた理由だけではなく、今後の日本がどういった対策を打つべきかまで、書かれています。
(経歴)日経BP社 → 野村証券の投資業務
経歴を見たらわかる通り、本書を執筆した著者である、加谷珪一さんは、投資や経済のプロなのです。おまけに、海外のいくつかの媒体で記事を連載しており、そういった経験から海外と日本の経済の差を痛感していて、いかに日本経済が低迷しているのかを深く理解されている方です。
こういった経済関連に詳しい著者が書いた本なので、信憑性がありますし、データに裏付けされた根拠からの説明が書いてあるので、「あ~本当にそうなるんだ( ゚Д゚)」と納得できます。
しかし、納得ができるぶん、日本の未来は明るくはないと、分かってしまいます。
日本・・・ダメなんじゃ・・・
日本経済に諦めの色が見え始めました私でしたが、本書の最後の方に、日本が歩むべき道がきちんと明示されているので、「なるほど!まだ希望はあるんだ」と明るい気持ちになりました!
本書は、「日本はダメダメだ」とただこき下ろすだけの本ではありません。
著者は、深い日本への造詣が深く、日本をリスペクトしています。だからこそ、日本にはこのまま低迷してほしくない! なんとかもう一度這い上がってほしいという願いが込められています!
私のように、いっこうに生活が豊かにならないと感じ、その原因を知りたい方にとっては有益な本となっています。
でも・・・経済の話って、難しいんじゃない?
と思った方。
ご安心を。
なるだけ分かりやすい要点を、本記事ではまとめてみました!
ぜひ最後まで読み進めてみて下さい!(批判は受け付けます 笑)
書評
本書の大切なポイントとして3つが挙げられます。
- 日本が現在直面している問題とは何か
- 日本経済が低迷している原因とは何か
- 日本は今後どうすべきか
これらを、日本の経済に詳しく海外でも仕事をしている筆者の広い視点で議論しています。なので、海外と日本の差を生々しく、限りなく真実に近い形で示しているのが特徴でもあります!
日本が抱える問題
日本の前に、まずアメリカの状況について簡単に説明しましょう! なんとアメリカの一般企業の新卒の場合、給料は年500~600万円ほど貰えるようです。
・・・あれ? 日本って・・・
そう。日本はこれと比べたらだいぶ下回り、300万円ほどが新卒社員が貰える金額です。
低い。低すぎる。こう聞いてしまうと、痛感しますよね。
え~でも、アメリカって給料が高い分、物価も高いんじゃなかった?
鋭い方はそう思うでしょう。
それは正解ですし、日本は逆に給料は安いけど物価も安いのが特徴として挙げられます。
しかしですよ。これは決して、日本が暮らしやすい国だという証明にはならいのだと、筆者は言うんですよね。
どういうことか?
日本は生活で良く使う、日用品などは海外からの輸入品が多いのです。
それが意味するのは、製品の価格が、海外基準になってしまい、日本国内の経済事情が関係なくなっちゃう!・・・ってことなんです。
つまりですよ~
海外と比較して賃金の安い国(日本)は、賃金の高い他の国と比べて、同じ輸入品を購入する場合でも、より大きい負担になってくるんです!
だから、物価が安くても、それがイコール住みやすい国だという認識は間違いなのです。
こういう状況が今の日本です。そして今後、より高い賃金を求め、アジアで働くことを考える日本人が増えてくるのだと筆者は言うんですよ。
当然といえば当然。

例えば、ITエンジニアや料理人などの場合
こういう職業の人たちは、ある程度のスキルがあれば、日本とは別のアジア地域で働いた方が、年収が高くなる可能性があります。そうなれば、年収が高い地域に行きたいと思うのは当然のこと。
近年、アジアの賃金が大きく上昇しているので、こういった事は近い将来起きるのだと筆者は言います。
そのため、政府が早急に手を打たないと、現状ただでさえ人手不足が嘆かれているのに、それがさらに加速し、なおかつ高齢者が増えていくので、日本の経済は深刻なダメージを受けることになるでしょう!
日本経済が低迷する他の理由としては、
- 日本の国際的な地位の急激な低下
- 経済が貧しくなり、研究にお金がかけられなくなることで、研究論文の数が減少
- 公的年金制度
などが挙げられるそうです!その辺りを詳しく知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってみて下さい!!!
日本経済が低迷している理由
では、どうしてここまで日本経済が低迷してしまったのか。
それは、日本企業の競争力の低下により、経済成長ができていないからだと、筆者は言うんですよ!
諸外国のGDPは大小問わず、上がっているのにも関わらず、日本は横ばいのまま。
これは日本が古い昭和モデルのビジネスモデルから脱却できていない証拠らしいです! だから、時代の変化にうまく適応できず、古いビジネスモデルのまま、今日までズルズルと引きずってしまっているそうなんですよね
確かにって思いましたよ。私含めて、日本人は何かしらの変化を恐れる傾向が強い民族だと思います。
伝統を重んじると言えば聞こえはいいですが、今のITの波に乗れず、諸外国から一歩遅れた場所に甘んじている現状を見れば、悪い面が非常に目立ちますよね~
残念です!!
また、筆者は、日本人は楽観的だとも言います。
というのも、筆者が海外メディアで、日本経済の非難をすると、その内容が合っているか間違っているかに関わらず、すぐに批判が押し寄せてくるみたいなんです。
逆に日本を賛美する声には、多くの日本人が喜び、PV数も上がるそう。
こういう日本人的考え方が、日本経済を低迷させている要因なのだと、本書では強く主張しています!
日本経済が低迷から脱却する方法

日本が安い国から脱却しないと、私たち日本人が豊かな生活をすることはできないと、前章で分かったと思います。
では日本はこれからどうしていくべきか?
筆者は一つの答えを示しています。
それは・・・「国民一人一人が、経済や産業に対する意識を変える」ことです!
なぜ筆者はそう考えたのか?
それは・・・経済は政府ではなく、消費者の行動と企業活動によって決まるからです。
驚くべき事実として筆者が提示したデータがあります。
橋本・小渕、小泉、安倍総理・・・ など、過去約20年間のうちに色々な政権が誕生しましたよね。しかし、どの政権の時代でも、日本の経済成長率は、全て似たり寄ったりのものなんです!
これは確かなデータに基づいて判明した事実です。
この事実は非常・・・非常に重いものだと、筆者は言うんですね。
この事実が意味することはつまり、あらゆる経済学者や専門家が想定するほぼ全ての景気対策をしたとしても、日本の成長率はほとんど変化しないということなんですよ!
エグくないですか!? そんなん、どうすれば良いんだ~~!
と! ここで本章の冒頭で言ったことに戻ります。
こんな絶望的な状況を打破できるのは、政府ではなく、企業の経営者であり、私たち消費者なんですよ!
そして、国内消費だけで経済を回せるような国になれば、本当の豊かな国になることができるのです!
えぇ~~政府が頑張ればいいんじゃないの? 何か有効な政策を一つ、バシッと決めれば・・・
このように、政府に頼り切ってしまう考えの人もいるでしょうが、こういった人たちを、筆者はバッサリと斬り捨てます。
政府に任せ、何か一つの方策で、全ての解決策を求めることじたい甘えだと!
そして、こうした日本人の考えが、経済を停滞させている原因だと強く言います!
「ぐさっ!」
「そこまで言わなくても・・・」
けれど、これだけ筆者が強く言うのも、消費者が中心となり経済を回すことこそ唯一絶対の対策だからであり、筆者の自信の表れから来ているからです!!!
本書のまとめ
◊まとめ
- 古いビジネスモデルが、日本の経済を低迷
- 景気を良くすることは、消費者の行動次第
非常に勉強になる『貧乏国ニッポン』という本を読んでみて、現実逃避せず、きちんと現実に向き合う必要があるな~~と強く思いました!
私とおなじ思いを持ちたいという方にもおススメした本です。
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