【人工知能の秘密を公開!】
人工知能が盛り上がった時代や下がった時代に、何が生まれたのかという人工知能の仕組みや計算手法を分かりやすく、徹底的に解説してくれる一冊
はじめに
けっきょく人工知能って何なの??
というかた向けに、本書では、人工知能の正体について、人工知能研究の第一人者の筆者が、人工知能の現在の力や状況、その可能性が理解できるように、分かりやすくまとめられています。
本書は以下の構成となっています。
- 人工知能とは何か
- 推論と探索の時代ー第一次AIブーム
- 知識を入れると賢くなるー第二次AIブーム
- 機械学習の静かな広がりー第三次AIブーム1
- 静寂を破るディープラーニングー第三次AIブーム2
- 人工知能は人間を超えるかーディープラーニングの先にあるもの
今回は、このなかで、
人工知能とは何か、という章を中心にまとめていきます!
本書では、人工知能の現状を紹介していきます!
人工知能の定義とは?
筆者は、「人工知能と呼ぶべきモノは、まだできていない」と言います。
本当の意味での人工知能ーつまり、人間のように考えるコンピュータはできていないのだ。
人間の知能の原理を解明し、それを工学的に表現する人工知能は、まだどこにも存在しない。したがって、「人工知能を使った製品」や「人工知能を使ったサービス」というのは実は嘘なのだ。
引用:「人工知能は人間を超えるのか」より
人工知能の歴史は、人間の活動を真似しようとしてきた歴史でもあります。しかし、人間を真似するなど、そう簡単なことではなく、私たちも自分たち人間の原理を全て理解しているわけではありません。
したがって、そんな複雑な人間の原理を、コンピュータ(人工知能)で表現することがいかに難しいことなのか分かりますね。
たとえば、人間は、文学作品を読んで感動したり、動物を見ただけで、その動物が何なのか判断できたりします。
これは単なる計算では表すことのできない、人間が産まれ成長していくにつれて、学び育まれてきた力です。
人工知能の可能性
しかし、現在の人工知能では無理ですが、後の時代、人工知能は完成していくと筆者は言います。
人間の思考が、もし何らかの「計算」なのだとしたら、それをコンピュータで表現できないわけがない。
引用:「人工知能は人間を超えるのか」より
つまりは、人間の活動は脳によって支配されています。この脳は神経細胞を電気信号が行ったり来たりすることで、人の思考・認識・感情・記憶などが生まれています。
言ってしまえば、脳の構造は、電気回路と同じになっているのです。
つまり、飛躍して言いますと、人間の全ての活動は、コンピュータで表現できてしまうわけです。
人工知能の定義
ここまでで、人工知能と人間の相違についてお話しました。では、専門家は人工知能について、どのように考えているのでしょうか?
国内だけでも、人工知能の研究者は数多く存在します。
- 人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能を研究する分野
- 知能を持つメカ、心を持つメカ
このように、考える人もいます。
私の定義では、人工知能は「人工的につくられた人間のような知能」であり、人間のように知的であるとは「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である。
引用:「人工知能は人間を超えるのか」より
言っていることは人によって違いますが、根底にある人工知能の定義は、皆さん同じです。
人工知能研究者の多くは、知能を「構成論的」に解明するために研究をしています。
この「構成論的」について補足しますと、「つくることによって理解する」ということです。「構成論的」の反対が「分析的」です。
例をあげますと、実際にスポーツをする選手はスポーツを構成論的に理解している一方、スポーツ評論家は分析的に理解しているということです!
人工知能とロボットの違い
多くのひとは、人工知能とロボットは同じ研究だと誤解しています。
人工知能の研究とロボットの研究をほぼ同じものと思っている人は少なくない。
しかし、専門家の間ではこの二つは明確に異なる。単純に言えば、ロボットの脳に当たるのが人工知能である。
引用:「人工知能は人間を超えるのか」より
ロボット研究が、ロボットの肉体、つまり具体的な機械をつくることです。その一方、人工知能の研究は、「考える」ことを表現するために、抽象的な「目に見えないもの」を扱っているということなのです!!
基本情報
- 書籍名:人工知能は人間を超えるか
- 筆者名:松尾豊
まとめ

今回は、人工知能とはいったい何なのかという題で、記事をまとめました!
皆さまの人工知能への認識を少しでも正しい方向へ修正できたのなら幸いです。本書では、過去の人工知能ブームの詳細や、今後人工知能はどのように広がっていくのか、までよくまとめられています。
人工知能について、もっと知りたいという方は、ぜひ本書を手に取ってみることをおススメします!!!